トープ

この色はパリの上流階級の生活を描いた印象派画家・ギュスターヴ・カイユボットの名作「床削り」にインスピレーションを得ました。 

とても美しい色で描かれているのは労働者の厳しい生活。そのコントラストに目が奪われます。当時の写実主義を代表するこの絵が語る歴史に惹かれます。当時のブルジョワジー（上流階級）が開く展示会サロン・ド・パリでは社会の下位に属する労働者を主題にしたこの作品は「低俗」だ、と酷評を受けます。しかしそんな逆風をきっかけとし、彼は自ら印象派のサロンを始める決意をし、その後の印象派を支えます。そんな度胸と自立心のある彼の生き様にとても胸を打たれました。社会問題に向けたメッセージ性が強いというだけでなく、同時に人々の日々の風景をそのままに美しく切り取る自然体な雰囲気にも魅了させられます。そんなことから、トープが好まれる方は自立している方が多いのではないかと思います。僕もそんな自分でありたいとの思いから無意識的にこのトープの色が好きなのかな、と思います。この絵はオルセー美術館に所蔵されているので、旅行に訪れた際には是非覗いてみて下さい。